ズッキーニは、炒めてよし、揚げてよし、煮込んでよしの、3拍子揃った、夏野菜の代表格。
加熱することが基本のズッキーニ。ちょっとしたポイントをつかむことで、生でも美味しく楽しめます。今回は、エピソードを交えてズッキーニの基本3つの調理法と、もう一つ「塩もみ」をご紹介します。
基本
ズッキーニは、1本当たり150g~200g位のサイズが、どのような調理法にも適しているサイズです。しかしこの時期は、大きいのも出回ります。大きくて太いサイズは、煮込みなどに向いています。
ただ、種の部分が多くなり味も大味になるので、大きくて太いのはあまりお勧めしません。均一な太さ、皮には傷が無く、つやのある物を選びましょう。鮮度が重要なので、買ったら早めに使い切ることが大切です。ズッキーニは、例えば輪切りにしてそのままにしておくと、お互いくっついてしまいます。
剥がしづらくなるので、切り置きする時は水で軽く洗い、水気を切っておくと、くっつかなくなるので、仕込みとしては楽になります。たまに見かける、黄色ズッキーニは緑に比べて味が柔らかい印象です。皮が痛みやすいのでやはり早めに使い切りたいですね。
1、炒める
やはり基本は炒めるです。炒める時のポイントは切り方です。やはり手早く加熱するのが炒める時の要点なので、千切り、拍子切り、斜め薄切りなどが向いています。いちょう切りや、賽の目切りは、味噌汁などにはいいですが、炒め物では箸で取りにくい。切り方は、加熱の仕方や食べ方に関係するので、適当に切ると食後感が悪くなります。
2、揚げる
油との相性はよく、天ぷらやフライに適しています。天ぷらの衣は、剥がれやすいのであらかじめ、ズッキーニに小麦粉をまぶしておくのがいいでしょう。フライは細かいパン粉が理想ですが、お好みですね。ソースは、茹で卵をたっぷり入れたタルタルソースがいいでしょう。また、乱切りにしたトマトを、塩とレモン汁でマリネし、エキストラヴァージンオリーブオイルと合わせてドレッシングにして合わせても美味しいですよ。
3、煮る
ズッキーニで煮る料理といえばラタトゥイユです。ズッキーニなしでは語れません。コツは、多めのオリーブオイルで、具材を別々に炒めてください。湯剥きし、種を取ったトマトと一緒に煮込みます。トマト缶の時は、ホールトマトを使ってください。飛び散らないように粗めに潰して使います。
塩もみ
もうひとつ知っておくと便利なのが塩もみです。スライサーなどで薄切りにしたズッキーニを軽く塩もみし、水気を拭きとってください。エキストラヴァージンオリーブオイル、カッテージチーズなどを合わせ生ハムを添えれば、軽めの前菜やサラダになります。ただ口腔アレルギー症状がある方は、気を付けてください。
エピソード
かつてウィーンには、天満屋さんという在留邦人が日本の味を懐かしむ日本食レストランがありました。私も、何度が連れて行ってもらいましたが、そこで出された天ぷらにズッキーニが入っていました。ズッキーニは西洋野菜。和の天ぷらにしていることが不思議でした。現地にある野菜で、天ぷらにするのは考え方としては当然ですが、若かったその当時は、カルチャーショックを受けたのを思い出します。
その後、南フランスで働くことになり、またズッキーニと出会うことになります。そのズッキーニは花付きでした。市場に並ぶ花付きズッキーニは、どれも美味しそうな色をしていました。花にはベニエ生地をつけて揚げるシンプルなものから、魚のムースを詰めたり、小さく切ったラタトゥイユを詰めたりと、コートダジュールを感じるズッキーニのアレンジ料理ばかりでした。
まとめ
今回は【ズッキーニ~エピソードから紐解く基本の3つの調理法プラス1】についてお伝えしました。
UFOズッキーニ、花付きズッキーニ、丸ズッキーニと様々な形がありますが、それぞれの形状をいかせる基本の調理法は、先ほど挙げた3つの調理法です。ぜひ、試してみてくださいね。