フランス料理

フランス料理の作ってみたいスープ~6つのおすすめレシピ

汁物が好きな日本人にとって、スープ料理は外せないカテゴリーの一つです。今回は、フランス料理の古典的な解釈にも配慮しながら、先ずは作って欲しい、おすすめのフレンチのスープレシピもご紹介します。

スープとは?

簡単に言うならば、スープとはあまり手の込んでいない、家庭的もしくは田舎風のスープのことをさすことが多いです。
また、スープはブイヨンにパンを浸したものを意味し、スープの浮き身であるクルトンはその名残と言えます。専門的には、ポタージュの一部分に分類されるため、ポタージュとスープの違いが混同される原因になっています。

ポタージュとスープの違い

ポタージュとは、スープの分類上、汁物料理全般を指す総称です。日本人がイメージする、とろみのついたコーンポタージュスープも、澄んだコンソメスープも、パンが浸してあるオニオングラタンスープもすべてポタージュの一種となります。

ポタージュの分類は2種類

➀【澄んだポタージュ】

代表的なのはブイヨンやコンソメで、浮き身として、野菜やクルトンなどを添えます。

➁【濃度を付けたポタージュ】

さらに濃度を付けたポタージュは、仕上がりや材料の違いによって以下のように分類することができます。

分類;ポタージュ・ピュレ
特徴;野菜をピュレ状にしたもの。
紹介レシピ;にんじんのポタージュ、じゃがいもとポロ葱の冷製ポタージュ

分類;ポタージュ・タイエ
特徴;切りそろえた野菜を入れたもの
紹介レシピ;野菜のペイザンヌとベーコンのスープ

分類;ビスク
特徴;ピュレにした甲殻類のポタージュ
紹介レシピ;海老のビスク

分類;クレーム
特徴;バターと生クリームで濃度を付けたもの
紹介レシピ;キノコのクリームスープ

分類;ヴルーテ
特徴;卵黄、生クリームを使って濃度を付ける
紹介レシピ;カリフラワーのヴルーテ

分類;コンソメ・リエ
特徴;コンソメに生クリームと卵黄でとろみ付けする

分類;ポタージュ・ナショノー
特徴;各国の特徴や地方性をいかしたブイヨンやスープ⇨スープドポワソン(マルセイユ)、ミネストローネ(イタリア)、ボルシチ(ロシア)、クラムチャウダー(アメリカ)など
紹介レシピ;オニオングラタンスープ(パリなど)

主宰者
主宰者
特に、クレームとヴルーテは古典の分類では明確に区別されていますが、時代性や作る人の考え方も多様化しているせいもあって、その区別はあいまいになっているのが現実です。この後ご紹介するレシピも、分類上のイメージを保ちながら、今日の作り方に合わせてレシピを構成しています。
ココットさん
ココットさん
コンソメ・リエではPotage Germiny(ジェルミニィ)がありますよね。
主宰者
主宰者
そうです。よくご存じですね。アングレーズソースを作る時のように卵黄でとろみをつける、クラシックで珍しい作り方のポタージュです。
基本のスープやポタージュを初めて作る方にお知らせしたい得する6つのこと スープやポタージュは、一年を通じて楽しめ、朝食からランチそして夜食までカバーできる優れた料理です。夏は冷たく冬は温かく、汁物料...

 

Potage Crécy にんじんのポタージュ


にんじんを使った料理には地名に由来するクレシ―風と呼ぶことできます。また、とろみをつける特徴として米を使います。にんじんは、しっかりと甘みが出るまで時間をかけて炒めるといいでしょう。

レシピ

材料 4人分
にんじん 400g
玉ねぎ 100g
チキンブイヨン 800mL
生クリーム 100mL
米 20g
バター 50g
塩、こしょう 適量

作り方
1、鍋にバターを入れ熱し、玉ねぎの薄切りを炒めます。玉ねぎの水分がなくなりはじめたら、にんじんの薄切りを加えます。
2、にんじんがしんなりしてきたら、米とブイヨンを加えます。軽く沸く程度の火加減を調節し、米が柔らかくなるまで煮ます。
3、粗熱を取り、ミキサーで滑らかなピュレ状にします。目の細かいシノワで裏ごしします。
4、生クリームを加え、塩とこしょうで味を調えます。
5、温めて器に盛り付けます。

Vichyssoise じゃがいもとポロ葱の冷製ポタージュ


ヴィシソワーズは、ニューヨーク生まれの大変有名な冷製ポタージュです。ポロ葱とじゃがいもだけのシンプルなポタージュで、ポロ葱はぜひ使いたいところです。冷たいポタージュなので、塩味が付け難くなるので、水塩を使うと楽です。

また冷蔵庫の温度では冷たいポタージュの冷涼な喉ごし感が得られないので、さらに氷を張ったボウルで冷やすといいでしょう。とろみは、ジャガイモのでんぷん質をいかすために、水にさらさないで使いましょう。

レシピ

材料 4人分
じゃがいも 400g
ポロ葱 100g
牛乳 400mL
生クリーム 100mL
バター 20g
小ねぎ 適量
塩、こしょう 適量
(水塩 適量)

作り方
1、ポロ葱は薄切りにし、バターでシェエ(汗をかかせるようにゆっくり炒める)します。厚めに切ったじゃがいもを入れます。チキンブイヨンを加え、やや強めの塩を加えます。途中でアクをひきます。20~30分、蓋付きで、ゆっくり煮ます。
2、ジャガイモに火が入ったら、ハンドブレンダ―で細かくし濾します。ベースができました。
3、ベースに牛乳と生クリームを加え、味を調えます。塩が溶けにくいので注意してください。水塩があると便利です。
4、提供までボウルなどに入れて氷に当てておきます。
5、器に入れて、刻んだ万能ねぎを上に飾ります。

Potage cultivateur 野菜のペイザンヌとベーコンのスープ


キュルティバトゥールとは、耕作従事者のことを指し、その名が示す通り、野菜が豊富に入っている具だくさんスープのことです。ペイザンヌ(paysanne)とは、切り方の名称で1辺が1~1.2cm、厚さ1mm程度の色紙切りにするのが特徴です。

切り揃えることで各野菜の味を引き出しやすくし、スプーン1杯すくうだけで色々な具材の味を楽しむことができます。バターを使いしっかりとシュエ(野菜の水分を出させて、汗をかかせるようにじっくりと炒めること)することがポイントです。バケットやパンドカンパーニュをトーストしておろしチーズを添えます。

レシピ

材料 4人分
玉ねぎ 1/4個
にんじん 1/2本
ジャガイモ 中1個
セロリ 1/4本
いんげん 4本
かぶ 小1個
キャベツ 40g
グリーンピース 40g
ベーコン 40g
パセリのみじん切り 適量
ローリエ 1枚
チキンブイヨン 1L
バター 10g
パンドカンパーニュ 2枚
おろしチーズ 適量
塩、こしょう 適量

作り方
1、ベーコンと野菜(グリーンピースを除く)は、1cm の色紙切りにします(インゲンは5mm幅に切る)。
2、鍋にバターを入れ、ゆっくり加熱してニンニクの香りを出します。
3、2にベーコンを入れ軽く炒めます。
4、3に野菜、ブイヨン、ローリエを加えて煮込みます。
5、野菜が軟らかくなったら、塩、こしょうで味を調えます。
6、器にポタージュを盛り付け、パンドカンパーニュのトーストとチーズを添えます。

Bisque de crevettes 海老のビスク


甲殻類の殻をすりつぶして裏ごしした、たいへん手間のかかる伝統的なポタージュです。クリームスープ状に仕上げられます。甲殻類と相性のいいブランデーを使うと、更に香りが良くなります。

レシピ

材料 4人分
エビの頭や殻 1kg
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
セロリ 1/2本
完熟トマト 2個
にんにく 1片
ローリエ 1枚
エストラゴン 1本
トマトペースト 20g
炊いてある米または茹でた米 30g
白ワイン 100mL
コニャック 30mL
フュメドゥポワソン 500mL
チキンブイヨン 500mL
生クリーム 100mL
オリーブ油、バター
カイエンペッパー
塩、こしょう
各適量

作り方
1、エビの頭は半分に切り洗います。
2、玉ねぎ、にんじん、セロリは1cm角に切ります。トマトはざく切り、ニンニクは皮付きのまま潰しておきます。トマト以外は、オリーブオイルでじっくり炒めます。
3、1をフライパンで強火にして一気に炒め、余分な水分を飛ばし香ばしい香りをつけます。
4、3にコニャックを加えてフランベします。このときも引火させる時に、焦がさないように注意が必要です。
5、4を2の鍋と一緒にします。フライパンについている旨みは、白ワインでデグラッセ(液体を加えて鍋底に張り付いている、焼き痕をこそげ落とすこと)します。ただし、フライパンが焦げ付いているようであれば。デグラッセは必要ありません。
6、5にトマトとトマトペーストを加え、軽く炒めます。
7、6にフュメ・ド・ポワソンとチキンブイヨンを注ぎ入れハーブを加えて30~40分に出します。
8、7を再沸騰させ、目の粗いシノワで押しつぶすように濾します。
9、これに火の入った米を加えしばらく煮て、ミキサーでピュレ状にし目の細かいシノワで更に濾します。
10、生クリーム、カイエンペッパー、塩、白こしょうで味を調えます。
11、味ののりが悪いときは、味を調える前に軽く煮詰めておくといいでしょう。

Crème de champignons きのこのクリームスープ


秋をイメージするこのポタージュは、色々なきのこを使ってバリエションを楽しむことができます。季節柄合わせたいナッツ系のオイルや、鴨肉など添えてみるのもいいでしょう。

レシピ

材料 4人分
マッシュルーム 250g
白ワイン 50mL
しいたけ 100g
チキンブイヨン 500mL
玉ねぎ 150g
牛乳 200mL
バター 50g
生クリーム 100mL
セルフイユ 飾り用
塩、こしょう 適量

作り方
1、マッシュルームとしいたけは汚れを拭きとり、厚めに薄切りにします。玉ねぎは薄切りにします。
2、鍋にバターを熱し、玉ねぎをシュエ(汗をかかせるようにゆっくり炒める)します。マッシュルームとしいたけを加え軽く炒めたら白ワインを加え、水分が無くなるまで煮詰めます。
3、ブイヨン注ぎ、塩を加え材料に火が通るまでゆっくり煮ます。
4、ハンドブレンダ―で細かくしたのち裏ごしし、牛乳、生クリームを加えます。味を調えます。
5、充分に温め、器に注ぎ、セルフイユを飾ります。

野菜のポタージュ~仕上げに「こす?」「こさない?」で考える大切なこととは? 滑らかな舌触りのポタージュは、手間暇かけた古典的なフランス料理の代表です。では、滑らかでは無いポタージュは、手抜きと言えるので...

Velouté de chou fleur カリフラワーのヴルーテ


滑らかなとろみのついたこのポタージュは、カリフラワーの値段が落ち着く冬につくるのがおすすめです。本来は、生クリームと卵黄を使ってリッチな仕上がりにします。

カリフラワーを使ったポタージュや付け合わせは、デュバリー風(Du Barry)とも呼ばれます。「ベルサイユのばら」でも登場し、マリー・アントワネットと対立するデュ・バリー夫人に由来します。

レシピ

材料 4人分

カリフラワー 300g
バター 20g
浮き身用カリフラワー 30g
チキンブイヨン 650mL
玉ねぎ 1/4個
生クリーム 50mL
塩、こしょう 適量
セルフイユ 飾り用

作り方

1、玉ねぎの薄切りをバターで焦がさないようにゆっくり炒め、薄力粉を加えさらに炒めます。
2、ブイヨンを加え、一度沸騰したらアクを取ります。カリフラワー(先に小房に分けて軽く下茹でしたもの(浮き身用で整えた、くずもスープに入れる)を加えます。ふたをして、液面が軽く沸く程度の火加減にし30分位煮ます。
3、粗熱が取れたらミキサーにかけ、目の細かいシノワで裏ごしします。クリームを加えて再沸騰させ味を調えます。
4、器にヴルーテをいれ、浮き身用のカリフラワーを飾ります。

Soupe à l’oignon gratinée オニオングラタンスープ


主にビストロやブラッスリーで供される、伝統的でフランス料理を代表するスープです。寒い冬には食べたくなるスープで、本場のレシピはポルト酒やコニャックが効いているので体の芯から温まります。

玉ねぎはじっくりキャラメル色になるまで炒めるのが特徴です。また、グラティネ(gratinée)とは上火が効いたオーブンに入れ、素早く表面に黄金の焼き色を付けることをいいます。

レシピ

材料 4人分

玉ねぎ 800g
赤ポルト酒 20mL
バター 50g
コニャック 20mL
薄力粉 大さじ1
グリュイエールチーズ 150g
チキンブイヨン 1L
トーストしたバケットまたはパンドカンパーニュ 8枚
ローリエ 1枚
塩、黒こしょう 適量

作り方

1、玉葱をできるだけ薄く薄切りにします。
2、鍋にバターを焦がさないように溶かし、1を焦がさないようにキャラメル色になるまで炒めます。最終段階になると焦げ付きやすくなるので、少量の水を加えて鍋底にこびりつく玉ねぎをこそげ取るようにします。この作業をしっかり行うことによって、後の味に大きな差が出てきます。
3、2にチキンブイヨン、アルコール類、ハーブを加えて10分くらいゆっくり煮込みます。ここで塩と黒こしょうで味を調えてください。
4、ココットに注ぎ、トーストをのせ上から多めにおろしチーズをかけ、220℃のオーブンでグラティネします。耐熱用の器がない時は、トーストにチーズをふりかけこれをオーブンやトースターでグラティネし、別にそそいだスープの上にのせてください。

まとめ~スープについての私見


この記事では、【フランス料理の作ってみたいスープ~6つのおすすめレシピ】についてお伝えしました。

今のレストランにおけるスープの位置付けは、しっかりとコース料理の中核を成すものではなく、アミューズなどでその役割を果たしています。最近はスープの液体部分よりも、浮き身である野菜などが中心に構成されたスープも多くみられ、スープがソースの役割を果たしているようなスープ料理も見られます。

しかし、その存在価値は決してなくなるものではなく、昔ながらの洋食店やビストロやブラッスリーではその位置付けも強く、オニオングラタンスープや季節野菜を使ったポタージュ・ピュレなどはまだまだ健在です。今後も作り続けていくことで更にその重要性を引き継いでいくことが大切であり、これからの我々の食卓にも、十分その役割を果たしてくれるのが、スープの在り方であると感じます。

作るのが簡単なレシピから、少しだけ手間のかかるもの迄さまざまですが、スプーン1杯で心が落ち着き、身体が温まる料理はそうないでしょう。人々の心を癒し、思い出となるストーリーをも作り出せる、そんなスープをこれからも伝えていきます。