シュウマイの上に1個のっかっている…と言えばこれです。そうです、嫌われ野菜常連組のグリーンピースです。冷凍や缶詰はおなじみですが、春のこの時期にはフレッシュが多く出回ります。春先から初夏まで限定の、生でしか味わえない季節もの。
ヨーロッパ滞在中は、春になると必ず山積みされたグリーンピースの露店が市場に並んでいました。味見と称し、さやから出して、生のまま食べるその光景は春の風物詩です。そんなグリーンピースは、フランス料理の伝統的な王道の付け合わせです。
今回は、家庭から星付きレストランまで登場する、グリーンピースの基本と魅力を再発見してみます。
平べったく皮が厚いのは避ける
簡単な見分け方の目安は、さやが山のように5~6個並んで大きく膨らんでおり、皮が薄く全体が大き目のさやを選ぶといいでしょう。少し見た目が古そうでしわが寄っているものでも、中身はしっかりとしている場合が多いので、あまり見た目にはこだわらなくていいです。ただし平べったく皮が厚いのは、できれば避けましょう。
茹で汁の中で冷ます
下処理は、さやから取り出し、中身は軽く水洗いするだけで充分です。茹で方は簡単です。沸騰させた水と塩だけで好みのかたさまで茹でてください。ゆであがったらそのまま茹で汁の中で冷ましてください。
すぐに引き上げてしまいますと、しわが寄って固くなります。できれば、ゆで汁ごとボウルなどに移して、氷水に当てながら急冷してください。火が余分に入るのを防ぎ、色を保ち、うっすら塩味がしみこみます。要するに、翡翠煮の要領です。このまま冷蔵庫で、保存できます。
イギリス風とフランス風
また、塩ゆでしたグリーンピースを、茹で汁と一緒に軽く温め水気を切り、ミントの粗みじん切りとバターを一緒に絡ませると、「イギリス風」と呼ばれる伝統的な一品になります。
もちろん、生からでも調理はできます。グリーンピースを軽くバターで炒め、水をひたひたまで加える。レタス、玉ねぎも一緒に加えてクタクタになるまで煮込む、「フランス風」は有名です。確かに緑色はくすみ、少々煮崩れますが、気にしないでください。素朴で家庭的な味わいに驚きます。
更に、ベーコンやブイヨンを加えたものや、にんじん、アスパラガスも相性抜群です。一緒に加えてみましょう。相性の良い、豚や鶏肉などの白い肉をシンプルにソテーして先の付け合わせを添えて一緒に召し上がってみてください。
メイン食材をも上回るパワー
余談ですが…今でもグリーンピースを食べると思い出す一品が有ります。ジャック・ボリー氏がロオジエにいた頃、初めて鳩料理を食べた時の、付け合わせがグリーンピースでした。
当時22歳の生意気な小僧だった私は「何だ?グリーンピース?」と思いましたが、食べてみてその味に驚きました。メインのハトよりも付け合わせのグリーンピースの奥深さを知った料理で、今でも忘れません。
庶民的な野菜を堂々と高級レストランで提供できる調理レベルの高さ、そして立派な付け合わせとしてメイン食材をも上回るパワーがあったことを思い出します。
まとめ
今回は、<【旬の食材カレンダー春野菜編】グリーンピースはフランス料理「王道の付け合わせ」 >についてお伝えしました。
冷凍や缶詰など、われわれには大変なじみがあるグリーンピースですが、やはりこの時期にしか味わうことができない、フレッシュさを感じてみるのもオススメです。
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