フランス料理

結婚式の料理に学ぶ「プロはいつも純粋」~心を惹きつける気遣い料理

料理を美味しくするには、色々な要素があります。レシピに切り方や味付けが指定されている場合でも、最終的には食べる人が誰であるかで、切り方や出し方を変えていかなければなりません。ワンランク上の料理を目指すのであれば、なおさら重要な要素になります。

 

今回は、さまざまな参加者が集まる、結婚式の料理から得られるヒントを見ていきます。心を惹きつける料理の重要な秘訣は、プロの料理人の「純粋な気遣い」です。

 

食べる人がどういう状態であるかを加味して対応することが必要

結婚式の料理は、参加者には基本的に同じメニューを提供します。もちろん子供は、お子様ランチのような簡易メニューが別に用意してあるのが一般的です。提供側の当日メニューには、その日に出す料理や事細かな指示が書かれています。

 

出してはいけない食材、それに伴う差し替えメニュー。誰が妊婦でアルコール系はNGや、ナイフフォークを使うのに不自由を感じる参加者には、魚や肉を箸で持てるようにカットするなど、提供側はそれらすべての重要事項を理解して常に臨みます。

 

しかし、一回で提供する食数が100名を超える婚礼料理は、とにかく仕事が多く調理場やサービススタッフは大忙しです。さらに、重要事項をその忙しさの中に組み込んでいかねばなりません。間違えたら大問題です。それを食べた参加者は、せっかくの晴れの日の料理に不満が残ったまま会場を後にします。

 

その不満の矛先は、ゲストを招いた新郎新婦に向けられ、それが自分の会社の上司だったら一大事です。提供側は、そのようなことが絶対あってはならないように、しなければいけません。

 

いつもと同じように作っていたら、必ずミスは起き、満足できる料理は提供できません。何も考えないで、作り慣れたレシピをただ繰り返すだけでは、プロしては失格です。それは、常に食べる人がどういう状態であるかを加味して対応することが必要になってきます。

 

提供する側の都合や料理長のこだわりを押し付けない

調理する側は、料理長の指示によってその異なる対応を同時進行で行います。本来は参加者自身で、ナイフとフォークを使って食べてもらった方が、美味しさが伝わる料理は、小さく切らないで出したいのが本音です。

 

しかし、提供する側の進行上の都合や、料理長のこだわりを押し付けることなく、不自由さを感じさせないように切り分けます。そして、自然と他の参加者と同じように盛り付け、その人に合わせた料理に差し替えます。

 

これはほんの一例ですが、それらはすべて、晴れの日にふさわしい料理を、他の参加者と同じように味わってもらいたい。笑顔で満足して帰ってほしい。といった、きわめて純粋な気持ちで対応しているということです。

 

プロの純粋な気遣いから学べるヒントもある

今回は【結婚式の料理に学ぶ「プロはいつも純粋」~心を惹きつける気遣い料理】についてお伝えしました。

 

いつも作り慣れている、自慢の我が家の味は家族みんな大好きです。ご家庭では食べる人はいつも一緒かもしれません。しかし、同じだからと言って、いつもと同じように出していたら、その料理は満足できる料理にはなりません。

 

もしかしたら、体調が悪いかもしれない、だから、いつもよりも少し長めに煮て柔らかくする。ひとまわり小さめに切って食べやすくする。など、少しの気遣いだけでも食後感は大きく変わります。

 

皆と同じように食べてほしい、同じ空間でわずかな時間を共有し、ここにいることをシンプルにシンプルに楽しんでほしい。と、純粋な気遣いで心を惹きつける料理を提供している、プロの対応力から学べることもことも多いと思います。

 

帰宅後疲れているのに、それどころではないかもしれませんね。プロだからなしえるワザなのかもしれません。でも、プロが料理を作っている時の、純粋な気持ちは参考になります。いざという時に必ず役にたちますので、頭の片隅に少しだけ留めておいてくださいね。

 

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