フランス料理

「フランス料理はバターだけじゃない」使い分けたい4種類の油脂とそのエッセンスとは?

ポール・ボギューズの師匠であるフェルナン・ポワンの言葉に、「バターを、バターをくれ!いつもバターを」…とても有名なフレーズがあります。それほどフランス料理に欠かすことができない存在のバター。

 

ソースの仕上げ、お菓子、加熱調理など、利用頻度が高い油脂の一つですが、フランス料理を作るにあたって覚えておくべき油脂が4種類あるのはご存知でしょうか?それは、オリーブオイル、ガチョウ脂、ラード、そしてバターです。

 

今回は、ご自宅でフランスの地方料理を作ってみようと考えている方に向けて、油脂分の使い分けには、ぜひこだわりを持っていただきたいと思っています。それは、どういうわけかを皆さまとシェアします。

 

土地との結びつき、繋がり、歴史に深くかかわってきた経緯

フランスを大きく4分割すると、パリなど北西部のバター、東部のストラスブールや中部リヨンなどはラード、南東部のニースなどはオリーブオイル、トゥールーズなどの南西部はガチョウ脂に分けることができます。

 

4つの油脂分は特にその土地との結びつきや繋がり、歴史にも深くかかわってきた経緯があります。その歴史のなかで、土地の人々が身の回りにあるものを、上手く利用し、使いこなしてきた過程を大切にする考えを、理解して料理にも反映させることが重要です。

 

地方料理や古くから受け継がれてきた郷土料理には、必ず決まり事やセオリーが有ります。それらを作る以上は、きちんとそのルールを理解しておく必要がある事を、まずはお伝えします。

 

土地に伝わる油脂を使ってこそ本質が見えてくる

もちろん今日のヘルシー志向の影響で、油脂分が敬遠されたり、伝統的なレシピにはラードやバターをたっぷり使っていても、クセが無くてヘルシーなグレープシードオイルなどに置き換えれられているレシピもあります。

 

しかし、レシピに書かれている、本来のその土地に伝わる油脂を使ってこそ、フランス料理の本質が見えてきます。もちろん、味にも影響することがあるので無視することはできません。

 

例えば、本来ラードを使うべきシュークルートを、下手に自己流にアレンジして、ヘルシー志向なのかオリーブオイルを使っているレシピを見ると、とてもイタイ気持ちになります。どうぞお好きなようにすればいいのですが、「シュークルート風」と名を変更していただくようお願いしたいものです。

 

料理は基本的には自由です。しかし、その料理が持っている背景やストーリーを理解したうえで、アレンジしているならば全く問題はないと思います。当然、ご自宅でフランス料理を作るときには手に入らない食材や、口にすることができない食材の有無によってレシピをアレンジする必要が出てきます。

 

そんな時には、ラードから軽い口当たりのオイルへ変更するのが望ましいですね。先にも言いましたが、理解した上のアレンジが大切なことをかさねて申し上げます。

 

「アブラ」こだわるフレンチ

今回は【「フランス料理はバターだけじゃない」使い分けたい4種類の油脂とそのエッセンスとは?】についてお伝えしました。

 

健康志向の強い現代において、オリーブオイルを除いては、胃にもたれそうな「アブラ」ばかりです。しかし、フランス料理本来の味わいを求め、本質を知るためには、4つの油脂は必要不可欠です。手に入る入らない、好き嫌いは別にして、まずは理解しておくべき大切な「油脂」というキーワード。

 

理解したうえで使いこなせると、さらにワンランクアップしたフレンチがご自宅でも味わえます。胃にもたれる美味しさも、フレンチの本質です。少量なら大丈夫。ぜひ「アブラ」にも、こだわってみてくださいね。

 

 
油脂の使い分けができるフレンチ体験レッスンはこちら
 

定期的に開催しているイベント告知などはこちらからも案内中です。
 
友だち追加