どんなに有名料理人でも見習時代があります。その時の失敗経験が今に生かされ、自分の持ち味をいかした料理を作る源流になっています。
見習シェフは失敗を通じて成長します。裏を返せばシェフ見習の事例を反面教師にして行えば料理が上手になる秘訣がつかめそうです。
今回は、見習シェフが起こしやすい8つのミスを参考にして、料理がうまくなるための要素を考えてみましょう。
目次
1、下準備ができていない
⇨下準備(ミザンプラス)がしっかりできていることで、調理を中断することなく進めることができます。例えばフライパンで炒めている最中に、使いたい調味料が切れていてはレシピの仕上がりのイメージからどんどん離れていきます。
2、正しい順番で料理が作れない
⇨時間がかかる、先に作っておいても味に問題ない、下味をつける必要がある、冷やすと美味しいもの…などは先に取り掛かるのが基本です。炒めるなどの短時間で仕上がるもの、天ぷらや焼き魚など温め直すと味が落ちるもの…などは後から仕上がるように順番を組み立てます。もちろん、レシピの順番を守るのは言うまでもありませんね。
3、レシピの理解不足
⇨レシピを一度読みイメージをつかむのが大切です。また、分からない調理用語は調べておきましょう。「ひたひた」と「かぶるくらい」を勘違いしているとなかなか美味しくなりませんよ。
4、食材に対する火加減の強弱が極端すぎる
⇨「なんとなく焦げそうだから」「中華はいつも強火でしょ」など、自己流で行っている方に多いのがこの傾向です。レシピには火加減を具体的に指定してあり、強火や弱火などときちんと書かれています。また親切なレシピほど、食材の状態も詳細に書かれています。例えばステーキは「こんがりと~」、ピーマンなどの青物系は「色鮮やかになったら~」と、書かれていますので参考にしてください。
5、道具の選択が甘い
⇨材料に対して鍋が小さくは、材料同士が密になり過ぎているために、蒸し焼きに近い状態になりますので、きれいに焼き色が付きません。また、合わせ調味料を作るときに大きすぎるボウルでは、周りに必要な材料がついてしまい無駄が出ます。適切な道具選びは、スムーズに調理を進める上でも欠かせない要素です。
6、余熱を計算できない
⇨主にステーキやローストビーフの焼き加減を調節するときに、必要なのが余熱を利用することです。じんわりと内部へ伝わる熱で目指す焼き加減に調整します。少し難しいですが、覚えておいてくださいね。豆を煮る時にも重宝します。
7、塩の適切な使い方が出来ない
⇨味付けの基本は塩です。味が決まらない時や何か物足りない時は、先ず塩を少し加えてみてください。それだけでもだいぶ変わります。塩使いに慣れてきたら、砂糖や酢などで味に変化を付けることができるようになります。
8、味見の習慣がない
⇨料理はレシピ通りに作ってもさまざまな誤差の積みかさねで、レシピ本来の仕上がりとは若干異なるとき(許容範囲)が出てきます。それに伴って味付けも調整する必要が出てくる時があります。そのため必要なのが味見です。また、煮物などの味の調整は、分量通りに入れても最終的には味見で加減します。料理はレシピ通りに作ることでスタートし、最後は自分の舌で仕上げることが大切です。
ミスを指摘してくれる人がいない
今回は【料理初心者がレシピ通りに作る時に反面教師にしたい~シェフ見習のやりがちな8つの失敗事例】についてお伝えしました。
厨房では、他にも料理人がいますのでミスを指摘したり、また料理長が目を光らせていますので、事故を未然に防ぐことができます。
しかし、ご家庭では基本お1人で調理することがほとんどです。何か間違っていても、それを指摘してくれる料理人はいません。まさに一人シェフ状態です。先に上げた8つのポイントを、反面教師にしてみることで失敗が少なくなります。
プロの事例でしたが、ご家庭でも十分参考にできます。レシピには書ききれないポイントですので覚えておいてくださいね。