ネットでは様々な手抜きレシピがあり、手抜きと称していながら、料理の体をしっかり成しているもの。手抜きレシピだが、材料や道具がごく限定的で再現性に乏しいものなど玉石混交です。
正直何が手抜きだか分からない。手抜きと言っても今までの料理経験や、生活習慣の違いなどによって考え方が異なります。
今回は、手抜き料理か否かを自分で判定できる基準を、3つ挙げてみました。参考にしてみてください。
1、切ること
切るとは、食材を体に吸収されやすくするために形に整え、その後の調理する工程でも、効率的に加熱などができるように加工することです。また、形を美しく整えることで、見た目の美味しさも引き出すことができる役割が有ります。
大昔より切ることで、食べ物を仲間に分け与え、コミュニケーションをとる。切ること自体が、文化である日本料理。切ることは、われわれの食文化と生活には欠かすことが出来ない、かなりハイレベルな工程です。
2、火を扱う
火と共にヒトの歴史は加速し、その過程で調理を行いさらに進化しました。まさに火を扱うことが料理の基本になります。自然界にある食物を、人間でも消化吸収できるように加熱する必要があります。加熱することで食中毒を防ぎ、身を守ることが出来ます。もちろん火を使わない料理もありますが、「切る」と、同レベルの調理工程で必要なことです。
3、味を自分で調える
様々な調味料で料理をさらに奥深くし、食べる人を幸せにしてくれます。作る人の個性やセンスをいかし、自分らしさを料理に反映させるのは、自分で味付けするのが一番です。味を調えることとは、調理工程の最終局面です。
自分で食べるものです。最後くらいは自分の手で責任をもって味を調えたいですよね。加工調味料などは、便利です。大変なときは、使ってもいいと思いますが、それに頼りっきりは、いかがなものでしょうか?少しずつ自分の手で味を調えることを覚えましょう。
無理せず堂々と手抜きをしてください
道具の発達によって包丁の代わりに、はさみを使いこなすレシピ。火を使わなくても、電子レンジで加熱を代用できるレシピなど、様々な形で、調理工程を簡素化できる方法や考え方が見られるようになりました。また料理を美味しくするためのテクニックやコツなどは、人の解釈の度合いや調理レベルによって受け取り方が様々です。
しかし、先に上げた3つの基準は、明日の活力を得る食べ物を扱う上で、欠かすことができない基本の要素です。3つのうち一つでも欠けたら、手抜き料理と判断できます。しかし、ライフスタイルが多様化している昨今、料理をしたくない日や、面倒に感じる日があるのは当然です。私もそうです。
そんな時は、無理せず堂々と手抜きをしてください。家庭での料理は人の家と比べる必要はありません。また、人の家の料理に対して干渉できる権利もありません。普段の料理は作る人自身を反映する鏡です。
いつも完璧に料理をする時代ではありません。自分のライフスタイルに合ったやり方でいいのではないでしょうか?そのなかで出来ることを少しずつ増やしていき、先の3つの基準を安定的にできるようにすればいいのです。
まとめ
今回は、【「手抜き料理ですか?」自分で判定できる3つの基準】についてお伝えしました。
ドイツ語圏のアーベントブロートのように火を使わずにハムやパンなどの冷製料理で夕食を済ませる食文化もあります。私がウィーン時代に初めて体験したときは相当な手抜き料理だと、当時感じました…今は違います。食文化をちゃんと尊重しています。
判断基準を知っておくだけで随分と違います。手抜き料理だからといって、決して人と比べ、自分の料理に自信を無くしてはいけません。