料理

料理教室主宰者が考える『料理が苦手』を克服できる12の心の持ちよう

料理にはこれが正解と言われる方法がないように、苦手なことを解決できる方法や正解もありません。しかしご自身の心の持ちよう次第では、苦手意識がある程度は克服できる術があることも経験上知っています。

何が苦手なのか?味付け、盛り付け、技術的な事、献立作り、洗い物、火加減、刃物を使うこと…など人それぞれです。ご自身を取り巻く環境や本人の性格などにもよるところも多いですし、苦手で料理が嫌いな人もいれば、好きだけど苦手な人もいます。

苦手なことはすぐは解決できない時もありますが、この記事がそれらを克服できる何かのヒントやきっかけとなれば幸いです。ぜひ参考にしてみてください。

料理下手な人に多く見られる5つの共通点と,上手になるために伝えたいこと料理が下手な男性や主婦が克服できる考え方をご紹介。なぜ下手なのか?どうしたら克服できるのかをまとめてみました。今は料理下手な方にとっても、少しでも克服できるためのヒントになれば幸いです。奥様や彼女が料理下手だとしても男性はさりげなくフォローしましょう。...

定番を何度も作り、時には失敗から学ぶことが大切


質問ですが、毎回違ったレシピで作るの、難しくありませんか?とくに苦手意識を持つ方にお伝えしたいことは、できる限り同じ料理を最低3回は繰り返し作って欲しいということです。

理由は、まだ確実に自分のものになっていない調理技術がブレてしまうからです。何度でも繰り返し作ることで、見えなかった部分がわかるようになり確実に上達します。長い目で見ればその方が早く覚えますし、興味があるレシピやオリジナルレシピであれこれ作るのは、それからでも遅くはありません。

おすすめなのが、名前のついている定番家庭料理を繰り返し作ることです。誰でも知っている定番料理は、レシピが豊富な現在にまで廃れることなく作り続けられているという観点からも繰り返し作る価値はあります。

当然作りはじめは、レシピ通りに作っても、なかなか思うような出来栄えにはならず時には失敗するでしょう、しかしその中から多くの気付きや学び取ることが大切であり、失敗は料理上達には欠かせない要素であることもお伝えします。

既製品を使うとは時間と味のトレードオフ


「どうしてもやる気が出ない」しかし「料理を作った感が欲しい」、そんな欲張りな方の為にあるのがスーパーなどで買えるお総菜や市販品などです。でも、「手抜きしているみたい」でモヤモヤする…特に日本人特有の料理観がここで顔を出します。気分を切り替えて、お惣菜を選びましょう。

意外とベテラン主婦層の方たちも迷わずスーパーのかごにお惣菜を入れて買い物を済ましている光景は日常茶飯事です。そして、企業努力によって開発されたさまざまな冷凍食品やレトルトや缶詰が所狭しとスーパーでは陳列されています。

何でも自分で作る、すべて手作りでまかなうのは、現在のライフスタイルではできないことはありませんが、難しい話でしょう。お店も今では料理ごとにレトルトや冷凍食品や缶詰を上手くアレンジしながらお店独自の味を作る時代です。

これらを上手く献立作りに取り入れることで日々の料理作りで面倒な時、ゆううつな時でも助けてくれます。ここで大切なのは、罪悪感にさいなまれることなく、堂々と活用することです。もちろんご家族がいらっしゃるご家庭では協力や理解も必要です。

徐々にこれらに頼ることなく、自分でできる範囲で作れるようになることに価値があります。たしかに、上手な方がレシピや献立の一部分に既製品を意識的に取り入れることもあります。既製品を使うとは、時間や手間の労力からくるストレスを軽減できる便利なアイテムです。しかし、調理技術の向上や手作りの安心感と家庭の味の素朴さを感じ取ることは難しいでしょう。これらの関係はトレードオフであることを忘れてはいけません。

少しずつ苦手な要素を取り入れる


「作ったことが無い料理」「出来るようになりたい調理法や技術」「食べてみたいレシピ」皆さまにはどのくらいありますか?でも、せっかく作ったのに不味かったらイヤですよね。苦手意識を克服するには、徐々に苦手な要素を取り入れて作ってみることが一番の解決策です。

もちろん初めは、イメージしたものとはかけ離れたものができるかもしれません。でもそれでも大丈夫。誰でも初めはできないのはあたりまえです。少しでも試してみてください。

いつも簡単ではいつまでも初心者のまま


「もし食べてくれなかったどうしよう」「不味いと言われたらショック」は確かに嫌ですね。そうならない為に、初心者向けレシピで済ませていたら、いつまでも初心者のままです。確かに慣れてきたらそこそこ上手になりますが、それは簡単な調理法の範囲内でぐるぐる回っているだけです。

そこからさらに一歩踏み出しワンランク上のレシピや技術をやってみることで料理が上達できます。作れる一品が増えることで結果苦手意識を解消できるのではないでしょうか。

雑多に取り入れて順に整理する余裕も必要


家庭料理は商売ではないので、料理メニューを広げたり調理技術を磨く必要はないかもしれません。意識して欲しいことは、作る側が「上手くなりたい気持ち」「ワンランク上の料理を目指す気持ち」です。これらをチョット意識できればメニューや献立に広がりが持て、結果上手くなります。

苦手な方は特に、雑多に取り入れる『点』という経験を後から順に整理することで、ある瞬間に一本の『線』に繋がる瞬間が分かるようになります。それが分かるようになるには、やはり作ってみるしかありません。これからも続く自炊生活は、そのくらい余裕をもって作ることが、無理なく作り続けられるのではないかと考えています。

店を広げない


すべてを同時進行で作ろうとする傾向ありませんか。料理は同時進行が出来れば当然、早く作ることが出来ます。しかし苦手な人は、献立の複数ある調理工程をすべて中途半端に進める為、どんどんモノがあふれかえります。

そういうことを「店を広げる」と言います。自分自身がイメージしている調理工程と、実際の調理技術の未熟さにギャップがあり過ぎることが考えられます。
たとえば、

⇨不必要な調理器具や道具を、今使わないのにとりあえず出す。
⇨切った材料を一か所にまとめない。
⇨シンクの中は、洗い物がたまっている。
⇨道具を所定の位置に戻さない。
⇨まな板の上が汚い。
⇨ダスターがきちんと畳まれていない

上記の例でもお分かりのように、これだけでも台所が散らかり「店を広げ過ぎの」状態になっています。当然時間がかかるのは当たり前です。調理は鋭利な刃物系や火を扱います。作業する場所が、モノであふれていたりするだけで、その危険性は増してきます。

包丁の柄の部分が当たり、落として床に落ち傷つけたりします。破片が飛び散るかもしれません。落ちる瞬間に思わず体で押さえようとして、ヒヤリ・ハット場面も見たことがあります。また、火口をフルに使おうとするので、当然「火に使われ」慌てます、そして時間にも追われ、ますます慌てます。

「まだできないの?」悪意の無いこんな一言でも焦ります。もうこのようなことを経験するだけで、料理が苦手のまま、最悪嫌いになってしまいます。
こんなときは、一度リセットしてください。

⇨時計を意識する。
⇨いったん洗い物をする。
⇨まな板の上をきれいにする。
⇨切った材料を一か所にまとめる。
⇨今使わない物、もう使わない物は所定の位置に戻す。
⇨火にかけている状態のものは火を消すか、ひとまず仕上げの手前まで作ってしまう。
⇨ダスターは常にきちんと畳まれている状態にしておく。

スッキリとして気持ちが落ち着きます。作業を中断するので、さらに時間がかかるのは当然ですが、危ない思いをするよりかはマシです。 慣れてきたら、少しずつこれらのリセットを調理工程の合間に行えるようにしてくださいね。それだけでも十分手際が良くなり、時間の節約にもつながります。

技術的な事は後からでも遅くはない


「肉はどこまで火を通せばいいか不安だ」「包丁の持ち方に悩む」「火加減が分からない」 など、苦手意識を感じることに技術的な要素があげられます。 技術的な事は料理を作っていくうちに、すぐに解決できるので安心して下さい。

調理中は常に状況が変わります、苦手意識を抱きながら作っていると「あっ」という間に焦げてしまいます。あまり深く考えずに楽しみながら作る感覚が丁度いいのではないでしょうか。

料理教室は正しい方法で学べるには最適だがコストもかかる


時間や経済的にも余裕がある時は、料理教室へ通うのも苦手を克服できる手段と言えるでしょう。教室を選ぶポイントをいうならば、お店のプロの料理人が店自慢のレシピを教える教室ではなく、過去に同じ悩みを持っていた先生や好きな料理本を出している料理研究家の方が主宰している家庭料理を中心に教えている教室が通いやすいでしょう。

また、同じ悩みを持つ方のブログを読んだりすることでも、共感し気持ちは和らぐのではないでしょうか。教室で習ったことを実践してみることで、一生使える技術にもなるのも魅力ではないでしょうか。コストはかかりますが正しい方法で最適に学ぶことも大切です。

肌感覚で覚えるとラク


レシピが無いと不安になったり、『本当にこれで良いの?』って思う時があります。プロでも初めて作るレシピはその通りに作ります。しかし、いつもレシピに縛られていては、日々の料理がストレスに感じてしまうでしょう。

最初の3回くらいは同じレシピを繰り返してみてください。それから、レシピは見ないもしくは参考程度にしてみてください。記憶をたどり頭の中でレシピを思い出しながら作ってみると自然と体が動くものです。多少違っていても、日々の料理はそこまでキッチリしていなくてもいいのではないでしょうか。

最初のうちにレシピ通りに何回か繰り返していると、感覚的で分かるようになります。その体で覚えた肌感覚が大事で、料理を上達させるために欠かせない要素です。レシピを見てその通りに作ることは大切です。

その方が安定していつも美味しくできますが、料理の自由度に欠けますし、何より作る本人の個性や持ち味を生かしにくくなります。料理はある意味遊びがあり、いい意味でアバウトな方が、毎日のごはんに関しては向いていると考えます。

上手く作れた時の気持ちをストック


料理はすぐに上手しないので、もどかしくなる時もあるでしょう。しかし、小さな積み重ねをコツコツと築き上げていくことも大切です。たまには失敗したり、時間がなくて簡単に済ませてしまうレシピに偏り、献立がワンパターンになることもあるでしょう。

そのような中でも、『あれっ?今日は美味しくできたな』『だんだん魚を焼くコツがつかめてきた』『いつもと同じなので、調理時間が短くなっている』『昨日と一緒なのに残さず食べてくれることに感謝』…のようなことを感じ取ることが大切です。周囲から見たら大したことが無くても本人にしてみたら確実に前進している出来事です。

自分がイメージしていた以上に美味しく出来ていたら、それだけでもうれしいものです。ぜひこの時の気持ちをたくさんストックしておいてください。それがたくさんあればあるほど料理が好きになり、誰よりも美味しく作れるようになります。

初めて作るレシピ。「もし失敗したらどうしよう」そんなこと考えながら初めて作るレシピは、ちょっとした緊張感があります。一つ一つ調理工程を確認しながら作ってもどこかしら、レシピの意図するポイントとズレが生じてきます。でも、初めて作るのでしたら失敗してもいいのではないでしょうか?

何よりも数あるレシピの中からその料理を選んだことを、先ずは楽しむことが大切です。料理本には写真はあるものの、実際に作ってみると完成したらどのように仕上がるのかワクワクします。味も想像してみましょう。さらに、お手本との違いを楽しめることも、これから料理が上達するのに必要なステップと考えてみましょう

料理に対する思い込みが心の負担


「きちんと出汁をとらなければいけないのでしょうか?」「魚はさばけないといけないのですか?」答えはすべてNOです。しかし、誤解して欲しくないのがこれらすべて調理の基本であり料理の本質です。とても大切なことです。

しかし、ご自身のライフスタイルと照らし合わせてみてください。「~しなければいけない」という料理に対する気負いは、すべて思い込みである事を先にお伝えしておきます。確かに、出汁を引き、魚をさばけることができれば、素晴らしです。しかし、それ以前に気がかりなことは、自身が疲弊してしまい自炊を止めてしまうことです。仕事後帰宅し、疲れている時もあれば気が向かない日もあるでしょう。

食事後も済ませたい用事もあるので、正直食事作りには時間をかけられない時もあります。また、料理を構成する一部である出汁や調理工程の一部である魚をさばく作業に、普段から時間をかける必要があるか?と、いうことです。それならば、その時間をもう一品作ることに注力する考え方もあります。

もちろん品数やその時の状況によって変わることもありますが、毎日の食事作りで、全調理工程をすべて自分で行うことで、ライフスタイルに無理をきたすようでしたら考え直す必要があります。例えば、魚は売り場の人に依頼して食べやすいように加工してもらい、調理工程の一部分を市販品、お惣菜、冷凍食品などに任せて、ご自身は全体の献立のコーディネートをしてみるのも一つの方法だと思います。

自炊は生涯のライフワークです、重要なのは無理せず自分で作り続けていくためには、どういう方法が一番合っているかを考えることです。その中で、出来ることを徐々に増やしていくことが望ましいでしょう。決して、「出汁をとることが無駄」「魚はさばく必要がない」と言っているのではないことも、再度お伝えします。

よそはよそ、うちはうち


ネットや動画などでフードスタイリングされた「見せる・魅せる料理」によって、よそのうちの食卓が覗き見できる昨今です。料理は「盛り付けも美味しさの重要な要素」という固定観念をより一層拍車がかかっているように見受けられます。

苦手な方もそれに足を引っ張られる傾向が強いようですが、あまり見た目は気にせず、お皿にも気を使うことなく、自宅にあるものをご使用ください。実用的で買い替えが効く安価なお皿で十分です。盛り付けや見た目の良さはたしかに必要ですが、雑誌やネットに出てくるプロがスタイリングした料理はあくまでも参考までに。

苦手意識をお持ちの方は作った料理がお手本と違っても気にする必要はありません。それぞれの分野のプロが一皿を完成させるわけですから、それは上手なのはあたりまえです。まずは、盛り付けの正面を決め、衛生的にお皿のふちや飛び散ったタレをきれいにふき取り食卓に並べる所から始めましょう。

意外とこれが出来ない人も多いのではないでしょうか。それから好みのお皿で盛り付けにも気を使ってみると、さらに料理は楽しさが増します。

まとめ

この記事では、<料理教室主宰者が考える『料理が苦手』を克服できる12の心の持ちよう>をお伝えしました。

この記事のまとめ

1定番を何度も作り、時には失敗から学ぶことが大切
2既製品を使うとは時間と味のトレードオフ
3少しずつ苦手な要素を取り入れる
4いつも簡単ではいつまでも初心者のまま
5雑多に取り入れて順に整理する余裕も必要
6店を広げない
7技術的な事は後からでも遅くはない
8料理教室は正しい方法で学べるには最適だがコストもかかる
9肌感覚で覚えるとラク
10上手く作れた時の気持ちをストック
11料理に対する思い込みが心の負担
12よそはよそ、うちはうち

すべてを満たす解決法はありませんが、心の持ちよう次第では意外と克服できることは多いのではないでしょうか。料理はとても重要なライフワークです。苦手意識はいつか必ずなくなります。そして気が付いてほしいことそれは、料理が苦手でも「あなたは料理をちゃんと作っている」という事実に自信を持たれてはいかがでしょうか。

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