フランス料理

かぼちゃのポタージュは『種とオイル』を使って本場の味を再現

そろそろハロウィンですね、皆さまはかぼちゃを、どのように調理していますか?

かぼちゃを味わう方法の一つとして、その種とオイルを一緒に使ってみてはいかがでしょうか?さらにポタージュに仕上げると簡単で手軽に秋の味覚が楽しめます。

基本の使い方

かぼちゃはポタージュの他にも、グラタン、ピュレ、タルトによく使われます。ドライフルーツやスパイスとも相性が良いです。

ポタージュの基本としては、バターでじっくり炒めた玉ねぎに、種を取り皮を剥いて大きめに切ったかぼちゃを入れ、ブイヨンで軟らかくなるまで煮崩します。ミキサーで細かくなるまで回し、必要なら裏ごしして滑らかな仕上がりにしベースを作ります。

ここからはクリームや牛乳を入れてコクやまろやかさを追加します。軟らかくしたかぼちゃをクリームや牛乳だけで濃度を調整するやり方もありますが、かぼちゃと乳製品の味だけでは物足りなさを感じるならブイヨンの旨みを追加します。

ここで浮き身として登場するのが、オイルと種です。種は煎り、別添えでポタージュと共に提供します。オイルは、器に入れたポタージュに小さいスプーンなどで軽く流し入れます。かぼちゃのオレンジ色とオイルのグリーンが、秋を感じさせる色合いで食欲をそそります。甘みのあるポタージュ、コクのあるオイル、種のカリカリ感の3つので、かぼちゃを味わいます。

オイルは加熱するよりも、香りなどの特徴を損なわないようにするためにドレッシングや直接かけるのに向いています。種はそのまま食べても美味しいですが、細かく砕いてパン粉などに混ぜたり、キャラメリゼさせてから塩をまぶして、軽いおつまみにしてももいいでしょう。今では、北海道産のパンプキンシードオイルが手に入ります。

黒い黄金?

オーストリア人口第二の都市グラーツの特産品として有名なのが、パンプキンシードオイルです。この『黒い黄金』と呼ばれるかぼちゃの種から採取したオイルは、ポタージュを始めとしてサラダやデザートにも使われ、コクのある味わいが特徴です。

当時初めて食べた、かぼちゃのポタージュの上に深緑のオイルがかけられていました。その味わいはコクと甘みがブレンドされ、フレンチのポタージュとは違った仕上がりとなっていました。また、種も横に添えられており、それをたまにポタージュの中に入れて触感の変化を楽しむことができました。

オイルと種を用意するだけで本格的な現地の味を楽しめます。ポタージュ以外でも、薄切りにしてバターでソテーし、種の粗みじんをふりかけ、オイルを数滴かけても美味しそうですね。シンプルな食事と共にオーストリアワインと秋の夜長を楽しんでみませんか?