実家に帰省すると昔から食べ慣れてきた食事が出てきて「実家に帰ってきた」と、ほんのひとときを味わっている方も多いのではないでしょうか?
久しぶりに食べる実家の食事は、いつの時代も、食べ物は当時の記憶を呼び戻す特殊なアイテムになることが分かります。特に長年食べ続けてきたご家庭それぞれにある、定番料理には特別感じる想いがある事でしょう。
実家のごはんが「おいしい」「おいしくない」は別にして、帰省時などに久しぶりに食べることによって感じることがあります。それは、年齢を重ねていっても感じる美味しさや食後感は当時のままであること。むしろその食後感は年々高くなっているかもしれません。
今回は、そんな変わらない味についてのお話です。
レシピが無い適当なアドリブ煮物
実家に帰省すると盆暮れ正月関係なく必ず煮物が出てきます。母いわく「レシピは無い」ようです。いつもアドリブで作るらしく、その時の気分で入れる材料が決まりますが、昔から食べてきて大体の傾向がつかめているので、総合して検証してみますが、筑前煮に近いことが分かります。
鶏もも肉…1個20g位にカット
にんじん…厚めの輪切り
だいこん…厚めの半月切り
いんげん…下処理後は長いまま
冷凍さといも…そのまま使えて便利
ちくわ…味がしみこんでおいしくなる
干ししいたけ…旨みの素
こんにゃく…触感
調味料…しょうゆ、酒、みりん、砂糖
さらに、ごぼう、レンコンを入れる時もありますが大抵が上記の具材の傾向が強いです。いつものように筑前煮に近い煮物で、季節にかかわらず定番の食材を使います。乾物や練り物を使って旨みをさらにアップさせます。
「ばらつきの多い、生の里いもは使わない」とのこと。冷凍里いもは安くて、安定していて、皮を剥く手間が省けるので、いつもよりも多く作る必要がある帰省シーズンには便利です。
「だいこんが柔らかくなったら出来上がり」というシンプルな調理ポイント。母が言うには「味付けは適当」だそうです。また、彩りを考えてインゲンなどの青みを、後から加えて色を活かすことはせず、一緒に煮込みクタクタにするのも特徴です。
いつもと変わらない味は親子関係と同じ?
長年作り続けているので、自然と勘どころをつかんでいるのが分かります。さらに、年々味付けが薄味になるのも特徴的です。小さい時から食べていた記憶では、味が濃かった記憶があります。
作る本人が年を重ねていくにつれて、健康に気遣う部分と、作り続けていくことで見える、余計な部分は無くして、食材の持ち味だけで充分美味しくなることが分かる、シンプルな料理思考になることでしょう。
本人は適当に味を付けていると言っていますが、食べる側からしてみれば、まさしく「いつもと同じ変わらない味」なんですね。その都度適当に変わる味付けも、親と子がお互いに年を重ねていっても、変わらない関係性に似ているのかもしれません。
今回は【実家に帰省~食事で感じる「いつもと変わらない味付け」で再確認する親子関係】についてお伝えしました。
ほぼ筑前煮に近い母の煮物は、今思えば早くに亡くなった父が北九州出身だったので、その影響を受けて自然と筑前煮に近い煮物になるのでしょうか?照れくさいので、あまり深くは聞けませんが、息子ながらにそのように想像できます。
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