テーブルを囲むと、いつものように食事が始まる。美味しい料理は、黙々と食べてしまうが、何か会話も欲しい。確認したいことは、食卓の料理は脇役であること。主役はテーブルを囲むみんなです。料理はあくまで、会話を呼ぶ一つの手段。今回は、非日常空間から再確認できる日常の食卓でのコミュニケーションの重要性と、その非日常の場がもたらす効果についてお伝えします。
食卓での役割がますます大きくなる
子供も大きくなると、昔のように家族で食卓を囲んで、食事をする機会が減ってしまうケース。また、いつもと同じように家族全員揃って、食事ができるのは素晴らしいことだが、日常的過ぎて、たいした会話の糸口を見つけられないまま、お互いすぐに食べ終わり、さっさとテーブルを離れてしまう。
それぞれのライフスタイルが家族同士でも異なり、なかなか以前のようにいかないのは、仕方がないかもしれません。しかし「ランチョンテクニック」でも言われている通り、食事時におけるコミュニケーション効果は実証済です。もしかしたら、そろって食事をする機会があるのは、1日のうちに1回もあればいい現代では、ますます食卓の役割は大きくなります。
忘れかけたものを取り戻すことで日常を再確認できる
先日、三宅さんが代表を務めるプライベートログハウス Kokkoにお邪魔したとき、改めて料理と食卓とコミュニケーションの3つの関係性について考えさせられました。火を一から起こす三宅さんの行動を見守っていると、改めてわかることがあります。それは、料理の原点は「火」であること。
よほど、意識でもしない限り、日常的に使い慣れているガスコンロでは、気が付くことはありません。そして火を起こしたら、慣れた手つきで炭を燃やし始める三宅さん。そして七輪へ炭の状態を見ながら移し、網を上へセットし完了。あとは、食材をのせて焼くだけの状態になりました。
食卓を囲んでいる参加者が、ちょうど良く焼けた肉を、お互いに取り分けたり、手が届かない物を取るときにも、自然と声をかけて取ってもらう。何気ない会話で、ウォーミングアップです。会話の糸口が見つかると、さらに会話を呼び、家族の話から、ビジネスの話題まで大きく会話がひろがります。
ここは、山の中なので辺り一面真っ暗です。空を見上げれば北斗七星が見える。それしかわからない私ですが、中学校の天体観測の宿題以来、まじまじと見上げたのは何年ぶりでしょうか。スマホばかり見ていると、頭を上に上げることすら、忘れてしまったことに気が付きました。このような非日常では、普段忘れかけている、日常の当たり前にも、再確認できることがわかりました。
日常と非日常の組み合わせ
今回は「非日常を味わうことで再確認できる日常の食卓を囲む大切さのススメ」についてお伝えしました。
ご自宅で食卓を囲みコミュニケーションを図るにも、たまにはメリハリをつけることも必要かもしれません。場を移して非日常の空間で、食事をする機会を設けると、普段できない会話も引き出せることが期待できます。
普段の家族の横顔も、非日常なら違った横顔を見せるかもしれません。日常と非日常の組み合わせこそ、これからの食卓には必要かもしれないと感じたひとときでした。
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