料理

空き缶ごはんに学ぶ~アウトドアシーンで料理を作る時に必要な五感の使い方

空き缶で炊いたごはん食べたことありますか?

 

普段の生活の中で、空き缶でごはん炊くことは、ほぼ100%ないでしょう。しかし、この空き缶ごはんから学べることがあります。いつもと違う状況下で行う料理や煮炊きで大切なことは、五感をフル活用することです。

 

今回は、料理の基本ともいえる五感を意識する大切さを考えてみたいと思います。

 

10月7日と8日のイベントのお打ち合わせを兼ねて、お昼ごはんでも食べながらという流れになりました。私が以前からリクエストしていた、空き缶ごはんに必要な材料を準備している間に、慣れた手つきで火を起こす焚き人・三宅哲之さん。初めて見る光景ですので、その一挙手一投足をじっと見つめていました。

 

1 視覚~炎の状態

仕込んだ空き缶を炎の周辺に配置したら、炎の状態を見て薪をくべます。三宅さんの奥さんによると「季節や薪の水分の含み具合によって火の加減が難しく、時にはその場で薪を乾かす必要もあります」とのこと。ガスレンジで火加減を調整するのとは、訳が違います。まさに火を使いこなすとはこのようなことを言います。

 

2 聴覚~調理中の音

そうこうしているうちに、飲み口をアルミで封をしている隙間から、わずかに泡が噴出してきます。炎の熱さに気を付けながら耳を近づけると、パチパチはじけ薪の音に交じって空き缶の中からグツグツ煮える音がわずかに聞こえてきます。

 

その音を確認したら、空き缶の位置を調整しながら中身が焦げないようにします。周りの静寂な焚き火環境だからかもしれませんが、調理中の音で判断して火加減を調整するのは、レシピで表現するには難しいかもしれません。

 

3 触覚~ごはんの感触

待つこと20分弱。「出来上がったようです」とのこと。感覚、経験、炎の状態を見極めて出来上がりを判断した三宅さん。中身が確認できない空き缶ごはんの判断基準がピンときませんでした。「空き缶の焦げ具合と時間感覚です」と、あっさりおっしゃいます。

 

ここでも、視覚を駆使しています。では、包丁からサバイバルナイフに持ち替えて空き缶を開けます。中心と天地に切れ目を入れてグローブをはめて広げるのは、まさにアウトドアです。このサバイバルナイフを差し込むときに感じる空き缶を切り開く感覚から、炊き立てのごはんへとナイフの先がたどり着いたときの、ごはんのやわらかさが右手に伝わる感覚は不思議なものです。

 

4 嗅覚~様々な香りに包まれる

開けると炊き立てのごはんの香りが立ち上がります。「今日はなかなかの上出来」「お焦げ加減も最高」…のようです。香りは、食欲をさらに増します。煙の香り、薪の香り、森の香り…様々な香りに包まれての炊き立てのごはん香りは一瞬で消えてしまいます。

 

それを逃さぬように鼻を近づけるのが許されるのが、自分の手で仕込んだ料理だからこそ。作り手の特権です。

 

5 味覚~バリエーション豊かに

「いつもの白いごはんに加えて何かバリエーションが欲しい」とご要望があったので、3種類のキノコをみじん切りにしてお米と一緒に混ぜて炊いてみました。

 

キノコを入れているので少し水加減を調整し炊いてみたところ、とてもきのこの味が染み込んで味も丁度良く仕上げることができました。白いごはんも良く炊けてその食べ比べもできました。混ぜることで一緒におかず代わりになり、道具や手間も減らすことができます。

 

囲む・分かち合う・食べる

五感を使って、今の状況下で出来ることを考える。アウトドアシーンでは、小さな料理のこだわりは通用しません。むしろ、限られた料理環境下の屋外で温かい料理を作れて、それを食べれることだけでも素晴らしいことです。

 

「あれがないと出来ない」「いつもの食材がないとつくれない」…といった、つまらない料理のこだわりがあっては本当の意味での料理とは言えません。その考え方は、普段の料理にも通じることができるはずです。

 

皆で火を囲み、皆で食材を分かち合い、皆と一緒に食べて一体感を増す…これが料理で生まれるコミュニケーションの醍醐味です。五感をフル活用したアウトドアクッキングでは、そんな多くの料理の基本を見つめ直すことができる絶好の機会なんですね。

 

レシピの枠を超える自然体の料理

今回は【空き缶ごはんに学ぶ~アウトドアシーンで料理を作る時に必要な五感の使い方】についてお伝えしました。

 

いつもと違う環境だけでも、味の感じ方が変わります。さらに、五感を意識して作るだけでもワンランク上の出来栄えになります。

 

アウトドアにはいつもよりも自然体の料理を作ることができるそんな力があります。なぜならばレシピの枠を超えることができる、作る人の持ち味をいかせるのが良いとことかもしれません。

 
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